アートとデザインの違いは?

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あなたはアーティストですか?それともデザイナーですか?もしこの質問にすぐに答えられるとしたら、その理由はなんですか?その違いを説明できますか?アートとデザインの違い。人によって様々な意見があると思います。今回Admix Web BlogのTeylor Feliz氏による興味深い記事を発見したので、翻訳してみます。みなさんの意見もぜひ聞かせてください!


アートとは?デザインとは?この二つは同じもの?互いに限られているもの?アートとデザインの世界、そしてそれらが何を意味するのかーー誰かが私のことを「アーティスト」と呼んでから、このことについてより深く研究したいと思いました。私は自分のことをアーティストだと思ったことは一度もありません。自分のことをデザイナーであると認識しているからです。なので、私はすぐにその人に「私はアーティストではなく、デザイナーです」と訂正しました。次の論理的な質問は「その2つの違いは何?」。私は思いつきで筋の通った説明をしましたが、それがこの質問を熟慮する好奇心に拍車をかけました。正直、これは長年議論されてきた事だと思いますが、同時に意見を言い合う価値のあるトピックだと思います。

デザイナー?アーティスト?

私の意見は、アートとデザインは同じものではない。しかし2つの世界が離れている気もしません。私がすることはデザインし、設計し、組み立てることなので、自分自身をアーティストだとは思っていません。その点で考えると、アーティストは創造し、表現し、想像する、生まれつきの才能を持った人だと思います。私は創造も、表現も、想像もせずデザインするとは言いませんが、その違いは、私はそれを異なった要素と仕様でするという点です。

アートとデザインの定義についてみてみましょう。大辞林によるとアート(芸術)の定義は「特殊な素材・手段・形式により、技巧を駆使して美を創造・表現しようとする人間活動、およびその作品」、デザインの定義は「作ろうとするものの形態について、機能や生産工程などを考えて構成すること」と、2つの基本の定義が見られ、デザインは計画から成り立ち、アートはより多くの感情と、より少ない考えから成り立っているようにみえます。さらにアートには天性からなりうるスキルを必要とし、デザインは習得することが可能であるととれます。

さて、冒頭で述べたようにこれは私が最終的に結論づけることのできる問題ではありません。むしろ考え事を口に出しているにすぎません。しかし、下記にアートとデザインが何を意味し、象徴するのかを理解するためのいくつかの原理を発見しました。それに限られたものではない、私の意見ですが、一番あうと思ったカテゴリーにそれぞれの要素を置いてみました。とても興味深いトピックなので、意見があれば自由にコメントしてください!

アートとは?

Leonardo da Vinci

表現する

アートとは、アーティストの感情や感覚を表し、アートの一番の目的は表現することだと思います。目的への手段よりもはけ口であるといえるでしょう。例えばムンクは表現主義のアーティスト。彼は絵を見た人から特定の結果を求めていたわけではなく、ただ彼の感情を表現したにすぎません。

ムンクによる「叫び」「マドンナ」

理解されることは重要ではない

アーティストは見た人がそれが何であるか、何を伝えようとしているかを理解するかという点は気にしません。むしろ上記に述べたように、アーティストの感情を表現しているのです。アーティストも見ている人も、その作品がどんな感情を表しているか理解されなければその作品は失敗である、とは考えていません。

利益のためではない

私が考える多くのアート作品は利益のために制作されたわけではないので、純粋であると言えます。私の知っている多くのアーティストはそうしないと気が済まないから描いたり、書いたりしていると言います。創造するために思いを巡らし、その作品が販売されたとしたらとても良い事ではありますが、私の経験では作品で利益を生むということは一番の目標ではないと思います。

ユーザーの役割は少ない

アーティストが何かを創造するとき、通常彼らはターゲットユーザーについて深く考えたりしません。むしろユーザーとは最終的にそのアートを体験した人であって、特定の「誰か」というわけではありません。

主観的

それがいいアートであろうとなかろうと、アートは主観的であり、「美は見る人の目の中にある」という有名なことわざがピッタリと当てはまります。誰かが作品を見て絶賛したとしても、他の人もそう思うとは限りません。基本的にアートは、何が上質の作品であるかという点では限りがありません。

デザインとは?

アートとデザインの違い

伝えること

デザインで表現しようとすることは、アイデアや感じ方、または意見を伝えようとすることです。伝わらなかったり誤解されるということは、そのデザインは成功したとは言えません。

ユーザーを動かす

ロゴデザイン、グラフィックデザイン、Webデザインにかかわらず、ユーザーはあなたがデザイナーとして熟慮すべき主要素のひとつです。作ることを目的として作るのではなく、ユーザーを楽しませることを目的として作る。したがってデザインでは、ユーザーは必要不可欠な存在です。

商業化されている

デザインを考えると、私は商業化されたアートを思います。工業デザイン、グラフィックデザイン、インテリアデザイン。あらゆるデザインを考えてみてください。すべてのものに1つの共通点があります。デザインは本質的に、ユーザーを幸せにしてあなたに報酬をもたらすといった工程で作られたアートです。誰かはデザインとは「純粋さのない」アートだ、とか、デザイナーは「裏切り者」であるとさえ言ったりします。私はそうは思いませんが。

問題解決・計画をたてる

デザインでは、仕様書やプロジェクト計画に合わせて作成するために、問題を解決する能力が必須となります。プロジェクトを与えられて、アイデアを伝え、ユーザーからの反響があり、見て楽しめる何かを、具体的なプロジェクト規定に従って作成しなければなりません。デザインを始める前に、多くの時間を使って計画をたてる必要があります。

制限がある

残念ながらデザイナーは多くの場合作ることに制限があります。そしてその制限によって、デザイナーは何かを「創造する」というよりも「設計」し、「組み立てている」といえるでしょう。

客観的

デザインは客観的な美。そのため良いか悪いかを簡単に判断されます。あなたが何かのデザインを見た時、すぐにそのデザインが美しく、簡単に理解できるものであるとか、下手で成功していないものであるなどの判断ができるでしょう。この理由は、デザインはルールや訓練や原理に従っているからです。デザインはカテゴリー分けされ、そのカテゴリーに沿ってデザインされたかどうかで判断されます。

参照サイト: Design and Art: Are They the Same?
This article was written by Teylor Feliz, Designer and Developer and Owner of Admix Web Blog.
この記事はデザイナー・デベロッパーであり、Admix Web Blogの運営者 Teylor Feliz氏によって書かれたものをManaが翻訳しました。

いかがでしたか?「デザインもアートの一部」「デザインもアートも一諸」「全く違う世界のもの」など、様々な意見があると思います。私はTeylor氏と同じ意見で、一番の違いは「ユーザーの有無」かな、と思っています。「アートは自分の中に、デザインは社会の中に存在する」という。みなさんの意見も聞かせてください!

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コメント

  • http://layout-blue.com/ hide

    ども。
    とても興味深く読ませていただきました。
    私も『アート』と『デザイン』の一番の違いは『主観的』、『客観的』ということかなと思います。
    アートが美の表現であって、デザインは機能でなければならないと思います。
    例えば、スプーン。この形はデザインではないでしょうか。食べ物を掬う形としてデザインされたものですよね?名前も(動詞ですが)掬うを意味します。
    それに対してアートはManaさんが言うように作者の表現に他ならない気がします。ムンクはとてもわかりやすいと思いました。
    ただ、商業化、という点で少し違和感(?)を感じました。
    美術史についてはあまり詳しくはないのですが、パトロンがついている芸術家は『アート』として制作できたかもしれませんが、パトロンがいない場合はやはり商業(利益)を求めて制作していたと思います。
    そういう意味で言えば生前は評価されず、死後評価されたアーティストは本物のアーティストなのかもしれませんね。

  • kato

    お世話になっております。

    記事の冒頭を読み直感的に思ったことは
    アート=自分のため
    デザイン=使う人のため
    というのが浮かびました。

    わたしはデザイナーと名乗れるほど何も学んでいないですし、はたまたアーティストと名乗れる程の才能は無い凡人なのですが。
    使う人の事を考えて制作するように心がけてはおります。

    そんな凡人からのコメントでごわす。
    それでは!次回の記事を楽しみにしております!

  • http://www.ariesplus.com/wordp/ シゲ

    初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。

    アートとデザインという言葉は、デザイナーという立ち位置でいると、やはり切っても切れないものですよね。
    そういう意味では、今回改めて考えさせられる内容であり、非常に感謝しております。ありがとうございます。

    議論できるほどの知識は持ち合わせておりませんが、私の考えにある”アーティスト”は、心の赴くままに”何か”を形にする人の事だと思っています。
    勿論、絵画でも音楽でも言葉でも、その対象として、自己満足でも個人でも大衆でも良い、というのが私の考えです。

    “デザイナー”は、やはりある程度の制限や趣旨等が設けられた中で、芸術を取り入れ、ユーザーに心地よさ等の感情や精神面の作用を考え構築していく者だと考えます。「五感に訴えかける設計者」といった感じでしょうか?

    初めましてなのに、つたない長文となってしまい
    なんだか申し訳ありません;

    今後とも、こっそり応援させて頂きます。
    貴重なエントリー、ありがとうございました。
    それでは、失礼致します。

  • 通りすがり

    創るモノの主体によってアートとデザインは簡単に分けるとこができると思います。

    アート=主体は自分であって、自己の表現等のために創作を行う行為。

    デザイン=主体は他者であって、他者のために創作を行う行為。

    軸をこのようにおけば、ほぼアートとデザインは分類できると思ってます。

  • http://shufu.blogcoara.jp/shu/ 州風

    「カメラマン」と「フォトグラファー」という言葉にも、似たようなとこがありますね。

    フリーのカメラマンをやっている知人のHPを見て、肩書きが「フォトグラファー」と書いてあって、一般の方に敷居が高くとられないかと感じました。

    本来の意味からは、間違えていないんですけどね。

    仕事で、簡単な写真をとったり、POPなんかも作りますが、僕は「レイアウト」はできても「デザイン」はできないと思ってます。

    実際は、どうなのやら。

  • Pingback: links for 2010-04-26 « 個人的な雑記()

  • Webクリエイターボックス

    コメントありがとうございます。とても興味深く読ませて頂きました。やはりアートとデザインの一番の違いは「誰のためのものであるか」という点かな、と思います。また、はてなブックマークでのコメントの中に、『「機能性の有無」 例えば、椅子をデザインする場合、座るという機能は外せないが、アートする場合、座るという機能はなくてもいい』というものもありました。hideさんのおっしゃったように普段私たちが使っているスプーンは「デザイン」と呼べるものだと思いますが、一見スプーンに見えず、食べにくさ極まりなくとも、作った人が「これはスプーンだ」といえばアートとして作成されたスプーンなのかな?と思います。シゲさんのおっしゃるようにアーティストではなく「五感に訴えかける設計者」でなければ見た目も機能性も満足のいくスプーンは作れないように思います。

    州風さんのおっしゃる「レイアウト」と「デザイン」。こちらも似ているようで違うものですね。この違いについても再度考えさせられました。

    みなさんありがとうございます!

  • HUGO

    初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。

    この記事を読ませていただいて、どこか引っかかるところがあり、個人的な意見を書かさせていただきます。

    アートは広義な意味で、「美を追い求め、それを創造する」ことだと思います。

    そしてデザインは、その中でも「機能美を求め、創造する」ことだと思うのです。

    あえて違いを求めることに疑問を抱きました。

    「美しさ」の定義は人により、千差万別です。その時代にそぐわない場合もあり、後に認められるものもあります。人に認められて、初めて価値が生まれます。つまり他人が認めて初めて「アート」であり、「デザイン」ではないでしょうか?

    他の人がそう呼んでくれるなら、デザイナーもアーティストでよいのでは?どうもアーティストって呼ばれるのは照れくさいとは思いますが、きっと褒め言葉なのでしょう。

    もし「あなたはアーティストですか?それともデザイナーですか?」と訊かれたら「両方です」でいかがでしょう。

  • Pingback: links for 2010-04-27 | ニジュウリョク()

  • yuaken

    まさかこれが議題になるとは思いもしませんでした。皆さんのコメントも楽しいかったです!!

    「アートとデザインの違い」をテーマにプレゼンしたことを思い出しました。私の結論は「アート:個性の主観」「デザイン:思想の定義」とした気がします。

    「客観的」という表現はデリケートですので、少々補足が必要そうですね。

  • http://maru.secret.jp/ maru

    興味深く読ませていただきました。
    アートとデザインの違い同様に、デザイナーとクリエイターの違いについてもそのように思うことがあります。
    私は一応会社ではWebデザイナーという肩書きなのですが、Webクリエイターです。と
    自分では言っています。
    創造するというニュアンスがデザイナーという響きからは少ないような気がするので^^;

  • Webクリエイターボックス

    Webクリエイターというのは日本語英語と呼ばれるもので、日本ではWebサイトをデザインもバックエンドのコーディングもする人のことをそう呼んでいると思います。「イチから創り出す」というイメージがありますね。

    このブログの名前は日本人向けのサイトなので「Webクリエイターボックス」です。私の知る限り英語圏で自分のことを「Webクリエイター」だと名乗る人はいないでしょう。私もデザインもプログラミングもするので日本では「Webクリエイター」と名乗りますが、海外では「Webデザイナー」もしくは「Webデザイナー/デベロッパー」と名乗ります。(私のポートフォリオサイトはwebdesignermana.com が取れなかったため webcreatormana.comですが…笑)

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  • けろ

    そうですよね、これはずっと私も考えてきました。私が考えている現在の回答は「アーティスト=自分の考えを自分で表現する」「デザイナー=人の考えや思いを代わりに表現する」でしょうか。どこかで読みましたが、「デザインはクライアントからどれだけ考えや思いを聞き出せるか、聞き出すところからデザインは始まっている・・・。」だそうです。だからデザイナーは理解力や読解力が求められるんでしょうね。素敵な情報ありがとうございます。これからもチョコチョコ遊びにきますのでよろしくお願いします。

  • たまたまみました

    アートかデザインか?を考えるとき、
    それを考えるのは、概ねデザイナーのような気がします。
    そして、この記事を読んでいるのも、コメントしているのも、デザイナー目線の人が多いと思うので、その時点で考えは偏るかもしれないと思います。
    もし、本当に議論したいと思うなら、
    ネットからかけ離れたところにいる人々のことも忘れてはならないのかな、と思ったりします。

    私個人的な意見は、アートとデザインは全く別のもので、それが分かっているのは、その人自身だけだと思います。

  • たまたまとうりすがり

    私はデザインの専門学校に通っていたのですが、そのとき学校でも「アートとデザインは違う」と口をすっぱくして教え込み、生徒とはそれを鵜呑みにし殿下の宝刀のように使っていました。

    その光景は滑稽です。デザイナーは作る仕事です。誰しもがビジネスのノウハウと休日のアート鑑賞で、デザイナーを名乗ってはいけないと思っております。

    アートは自分のために デザインは人のために
    、といった巣分けがいたるところでなされますが、10年代のアートは他者(鑑賞者)が介入するかたちで行われるものが多くなってくるはずです。
    snsなどのコンテンツ産業を意識し、アーティストたちはもう一度、作ることに向かっています。これは単なる自己表現のみだけで切り捨てられるアーティスト像とはかなり違ってきています。

    デザイナーから人へという通路が分かっていて、さらには一般の方の認識が、デザインは皆のためにというところに依拠するのであれば、デザイナーは人に気を使いながらの、おどおどした作り手から抜け出るべきです。

    デザインは人を引っ張ることができる。そこが、現在のいわゆるアートの認識とは画一した強みです。そういう意識をもって今後若いデザイナーに活躍していってほしいと思います。

    長々とすみません。では。

  • ごきげん☆あさちゃん

    高校(デザイン学科)の時の英語教師が
    なるほど、と思う説明をしてました。

    「ハンガーはデザイン。使う人の事を考えた上で美しく設計されている。
    それをぐにゃりと曲げるとアート。表現を追及した唯一無二のものになる。」

    私はデザイナーです。
    「誰かのために」が前提の職業だと思っています。

    ちなみにdesignの直訳には
    「設計・立案・陰謀」等いろんな意味があるみたいです。
    奥が深いですね!

  • wizdamn

    個人的意見になりますが、デザインは芸術というより工芸だと感じます。しかし、漆器などは、実用的でありつつも、モノにもよりますが、芸術性を帯びている。芸術とは内なる爆発から創造され、湧き出てくるもの、と考えればわかりやすいでしょうか。ただ、世間に広く勘違いされているのはアートのコピペであるコンテンポラリー・アートと、新たな伝統を産むアヴァンギャルド・アートとの区別、差別がなされていないことでしょうか。

  • inaba kosei

    デザイン → 無いと不便
    アート → 無いとしんどい
    肩書き → 記号
    アーティストもデザイナーも格好良すぎて名乗るには勢いが必要

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