Flexboxを使った2カラム・3カラム・マルチレイアウトの基本と応用
以前「これからのCSSレイアウトはFlexboxで決まり!」という記事で紹介した、CSSでのレイアウト組みに大活躍できるFlexbox。前回は基本的な使い方の紹介をしたので、今回はより実践的に使える実例を紹介したいと思います!
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Flexbox対応ブラウザー
前述の記事の通り、現行のモダンブラウザーでは問題なく利用できます。ただし、Safari用に -webkit-
のベンダープレフィックスが必要です。IEについては11から正式に対応。
そしておなじみの日本でのブラウザーシェア情報。2015年7月ではIE11が32.86%でトップです。Flexboxに対応していないIE9は3.17%。制作するサイトに応じてFlexboxを取り入れるか検討しましょう。
2カラム
一番基本的なWebサイトのレイアウトである、2カラム。まずはこのレイアウト制作を身につけましょう!ここではレスポンシブ(モバイルファースト)に対応させるため、基本的なコーディングではすべて1カラムにし、メディアクエリーでデスクトップ用に2カラムのスタイルを適応させます。1カラムと2カラムに変わるブレイクポイントは600pxに設定しています。お好みで数値を変更して実装してください。
基本
メインコンテンツとサイドバーの部分を div
で囲み、その div
にFlexboxを適応させればOK!
HTML
<div class="flexbox"> <section class="main"> <h1>The Little Prince</h1> <p>And he went back to meet the fox...</p> </section> <section class="side"> <h1>About</h1> <p>The Little Prince (French: Le Petit Prince), ...</p> </section> </div>
CSS
.main { background: #fcc; margin-bottom: 10px; } .side { background: #fea; } .main, .side { padding: 2%; border-radius: 10px } /* Responsive */ @media ( min-width : 600px ){ .flexbox { display: -webkit-flex; display: flex; } .main { margin: 0 10px 0 0; } }
サンプル
See the Pen Flexbox 2 column by Mana (@manabox) on CodePen.
右上の「Edit on CODEPEN」をクリックすると全画面表示されます。幅をスライドさせ、幅を狭めると1カラムになります。
2カラム応用:半分に縦分割した背景色付きレイアウト
時々、ページを縦に半分割にして表示しているレイアウトを見かけます。両者を比較したり、一方に大きく画像を打ち出したい時に使えるレイアウトです。半分割して横並びにするのは簡単ですが、それぞれに背景色がつくと話は別。ボックスに背景色をつけても、大きな画面で見ると画面の左右の余白には色がつきません。
ちょっとわかりにくいので図で説明すると、こんな感じでページ全体の背景色が余白に表示されてしまいます。この余白にも各コンテンツの背景色を適応させるには、ページ(body)の背景に linear-gradient
でグラデーション色を指定し、グラデーションの度合いを50%にすればOK。
HTML
<div class="flexbox"> <article class="japanese"> <h1>平家物語</h1> <p>祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。...</p> <img src="http://placehold.it/300x200" alt="" /> </article> <article class="english"> <h1>The Tale of the Heike</h1> <p>The sound of the Gion Shōja bells...</p> <img src="http://placehold.it/300x200" alt="" /> </article> </div>
CSS
.japanese { background: #000599; } .english { background: #006999; } .japanese, .english { color: rgba(255,255,255,.4); padding: 2%; text-align: center; } p { text-align: left; } img { max-width: 100%; height: auto; } /* Responsive */ @media ( min-width : 600px ){ body { background: linear-gradient(90deg, #000599 50%, #006999 50%); } .flexbox { width: 700px; margin: 0 auto; display: -webkit-flex; display: flex; } .japanese, .english { -webkit-flex: 1; flex: 1; background: none; } }
サンプル
See the Pen Flexbox 2 columns half width by Mana (@manabox) on CodePen.
右上の「Edit on CODEPEN」をクリックすると全画面表示されます。幅をスライドさせ、幅を狭めると1カラムになります。
3カラム
3カラムレイアウトも基本は2カラムと同じです。Flexboxの中にコンテンツを入れて調整。
基本
2カラムのものと違うのは、flex
プロパティーを使って各カラムの割合を指定しているところです。ここではサイド(黄色)の部分が細長すぎて文字が読みづらかったので、メインカラムの割合を2、サイドの割合を1に設定。
HTML
<div class="flexbox"> <section class="gallery"> <h1>Contents</h1> <ul>...</ul> </section> <article class="main"> <h1>The Little Prince</h1> <p>And he went back to meet the fox...</p> </article> <section class="side"> <h1>About</h1> <p>The Little Prince (French: Le Petit Prince),...</p> </section> </div>
CSS
@media ( min-width : 600px ){ .flexbox { display: -webkit-flex; display: flex; } .main { margin: 0 10px; -webkit-flex: 2; flex: 2; } .side { -webkit-flex: 1; flex: 1; } }
サンプル
See the Pen Flexbox 3 Column by Mana (@manabox) on CodePen.
右上の「Edit on CODEPEN」をクリックすると全画面表示されます。幅をスライドさせ、幅を狭めると1カラムになります。
3カラム応用:表示させる順序を変更する
上記サンプルを応用して、カラムの順序を変更しましょう。サイトによってはHTML上ではコンテンツ部分を先に記述し、表示させる時は真ん中に…なんてことも多々あるかと思います。そんな時は order
プロパティーを使って順序を指定します。サンプルのHTMLは基本編と同じものを使っています。
CSS
@media ( min-width : 600px ){ .flexbox { display: -webkit-flex; display: flex; } .main { margin: 0 10px 0 0; -webkit-order: 1; order: 1; } .side { margin-right: 10px; -webkit-order: 2; order: 2; } .list { -webkit-order: 3; order: 3; } }
サンプル
See the Pen Flexbox 3 columns order by Mana (@manabox) on CodePen.
マルチカラム ― タイルレイアウト
ギャラリーサイト等で大活躍の、カード上のボックスを並べて見せるタイルレイアウト。Flexboxなら各ボックスの高さが違っても、自動的に一番高いものに合わせて並べてくれます。ポイントは flex-wrap: wrap
で親ボックスの端で折り返す点です。
HTML
<div class="flexbox"> <div class="item"> <img src="http://placehold.it/240x150" alt="" /> <p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit...</p> </div> <div class="item"> <img src="http://placehold.it/240x150" alt="" /> <p>Nulla pharetra porta sagittis. Mauris et suscipit diam...</p> </div> <div class="item"> <img src="http://placehold.it/240x150" alt="" /> <p>Integer ornare felis eu risus ultrices pharetra eu non velit...</p> </div> </div>
CSS
.item { border-radius: 10px; background: #edf; padding: 15px; margin: 5px; text-align: center; } img { max-width: 100%; height: auto; } p { text-align: left; } /* Responsive */ @media ( min-width : 600px ){ .flexbox { display: -webkit-flex; display: flex; -webkit-flex-wrap: wrap; flex-wrap: wrap; } .item { width: 25%; } }
サンプル
See the Pen Flexbox Tile Layout by Mana (@manabox) on CodePen.
右上の「Edit on CODEPEN」をクリックすると全画面表示されます。幅をスライドさせ、幅を狭めると1カラムになります。
マルチレイアウト ― Masonryレイアウト
上記タイルレイアウトではすべて同じ高さのボックスを並べていますが、Masonry ー つまり違う高さのボックスを敷き詰めて表示するレイアウトに挑戦しましょう!サンプルのHTMLはタイルレイアウトと同じものを使っています。flex-direction: column
で要素を縦に並べていきます。親ボックスに max-height
を指定すると、Masoryレイアウトの完成!
※ただしIE非対応!
CSS
@media ( min-width : 600px ){ .flexbox { display: -webkit-flex; display: flex; -webkit-flex-wrap: wrap; flex-wrap: wrap; -webkit-flex-direction: column; flex-direction: column; max-height: 800px; } .item { width: 28%; } }
サンプル
See the Pen Flexbox Masonry Layout by Mana (@manabox) on CodePen.
右上の「Edit on CODEPEN」をクリックすると全画面表示されます。幅をスライドさせ、幅を狭めると1カラムになります。
Flexboxのおかげで、CSSでのレイアウトがグンッと楽になりましたね!タイルやMasonryなどはJavaScriptを使わなくてもCSSだけで実装できるようになりました。これからのスタンダードになるであろうFlexbox。しっかり身につけておきましょう!