海外Webサイト・海外Web屋の特徴

以前「日本向けのウェブデザインというのはあるのか?」という記事を読み、「逆に海外のサイトは具体的にどう違うかなあ?」と思ったので、私が感じた海外のWeb業界やサイトの違いを並べてみます。海外向けのWebサイト制作を考えている方、海外で働こうと思っている方の参考になればと思います!


↑私が10年以上利用している会計ソフト!

追記:ここで紹介する「海外」とは、私が滞在・就労経験のあるカナダとオーストラリアを指しています。

海外Webサイトの特徴

URLを直接入力

日本ではURLバーに直接入力する人は少ないかと思われますが、海外では目的のブランド名がわかっている場合、とりあえず「.com」をつけてWebサイトを開きます。海外で .com が人気な理由はこのへんにありそうです。そのため、新たに会社やサービスを立ち上げるときは、そのブランド名とドメインがとっても大切。また、日本でよく見かける「-(ハイフン)」をドメインに用いるのは避けたほうがよさそうです。

IE6は基本的に無視

これはサイトのターゲット層や規模にもよりますが、基本的にIE6には対応させません。IE6に対応させるために追加料金を設定している企業もあります。そのかわり、iPadやスマートフォンの対応を重視しつつあります。

FacebookがWeb戦略の鍵

過去記事「Facebook 〜日本と海外の楽しみ方の違い~」でも触れましたが、海外ではFacebookを主体にWeb戦略を考える事が多く、新しいWebサービスを作る時は「どうやってFacebookと連携させるか」を考えるのはもはや常識。Facebookページの作成やLikeボタンの設置も、Webサイトを作る上での必須項目のひとつです。そのためFacebookの仕様やデザインが変わるたびに悲鳴をあげます。

メールマガジンマーケティング

海外のインターネットマーケティングではメールマガジンも重要視されます。メルマガのテンプレート作成・そのメルマガからのランディングページ作成・メルマガからのアクセス解析はセットで行う会社が多いです。「Campaign Monitor」というメルマガ用のWebサービスが人気で、ここに作成したメルマガ用テンプレートを保存し、クライアントがコンテンツを作成・配信する事もできます。また、メルマガの解析、例えば登録している人の内何人がそのメールを開いたか、どこのリンクをクリックしたか、その時間など、細かく分析できます。メルマガテンプレートを作成する時は、メールクライアントによって表示がずれるため、「Email on Acid」というサイトを使って表示確認します。

いろんなフォントが使える

フォント

Google Fontを始め、CSS3を使ったWebフォントが人気急上昇中!日本語フォントはひらがな・カタカナ・漢字と種類が多く、表示が遅くなるため使用するのはまだまだ難しいのが現状ですが、アルファベット+数字のみの英語サイトであれば簡単にいろんなデザインフォントを表示させる事ができます。デザインの幅も広がり、制作するのも楽しいです!

イラストより写真

イラストより写真

日本ではサービスの説明画面や、簡単なアクセント等にイラストを使われる事が多いのですが、海外ではイメージ写真が使われる事が多いです。イラストを使う場合でも日本のようなかわいらしい雰囲気ではなく、高画質なベクター画像など、よりリアルに近いものが使われます。私のよく使うアイコン検索サイト「Iconfinder」でもかわいらしいアイコンではなく、立体感のある物が多いですね。

ミニマルなデザイン

ミニマルなデザイン

もちろんポップなデザインやど派手なサイトもありますが、全体的にみてシンプルで落ち着きのあるデザインが多い気がします。色合いも3~5色におさめ、余計なアイコンや装飾を省き、余白をうまく活用しているサイトをよく見かけますね。逆に日本では大手サイトを含め、ポップな色合いで賑やかな雰囲気のサイトが人気のようです。

ECサイト

ECサイト

海外のECサイトは全世界に配送しているものが多く、その設定は本当に大変です。国内でも州によって、また商品によっても税率が変わり、国内外の送料の設定、支払い方法、配送方法…設定する項目が山ほどあります。Paypalを使用するユーザーが多いのも日本とは違いますね。

海外Web屋さんの特徴

Skypeで会話

Skypeで会話

同じオフィス、しかも隣の席の人ともSkypeチャットを通じて会話する事が多いです(もちろん普通の会話もありますよw)。私語ではなく、業務に関することがほとんどです。URLやアカウント名など、口頭でやりとりするのが難しいからだと思います。なので静かなオフィス内で同僚2人が笑いをこらえて悶えている場合、二人がSkypeでアホな会話をしていると断定できます。

Basecamp命

Basecamp命

大人気プロジェクト管理ツール「Basecamp」では、プロジェクト毎にTo-Doの作成やクライアントとのやりとり、タイムログ、スケジュールなどを管理できます。Web業界に限らず愛されているこのBasecamp。学校のグループプロジェクトなどでも使われています。日本語でも使えますよ

仕事中にYoutube

Youtube

仕事中にYoutubeで面白い動画を見つけても、隠すことなくなぜか大爆笑。まわりの人も怒ることなく、「見せて見せてー!」と群がります。ひとしきり楽しんだ後、サーッと元の位置に戻り、再び業務を続けます。

フリーランサーや小さな仕事は時給制

フリーランサーや小さな仕事は時給制

日本の報酬はプロジェクト単位のものがほとんどだと思いますが、海外では時給制の人が多いです。制作会社でも小さな変更は時給換算です。時間は「Harvest」や「Toggl」などのツールを使ってログをとるのが基本で、請求書には時給換算で表示し、請求します。学生など、まだ実績があまりないフリーランサーの時給は$15~$25が相場。これは最低ラインだと思います。経験のあるデザイナー・デベロッパーさんは$40~$70が相場かと。$100以上の方とはまだお会いした事がありませんが、売れっ子Web屋さんはそれ以上貰っている方もいると思います。

同僚の日本語が無駄に上達する

日本語が無駄に上達する

これは完全に私のいた会社での体験談です。カナダ・オーストラリアで各一社ずつ働きましたが、両社とも日本人は私だけ。それで珍しいのもあってか?日本語を覚えようとしてくれる同僚が多く嬉しかったのを覚えています。でもなぜか覚えてくる日本語は変なものばかり。カナダの会社の社長にいたっては、わざわざ「使ってはいけない日本語」という本を購入し、オフィスに置いていたほど。変な単語ほど覚えやすいものです。

日本と海外ではまだまだ違うところもたくさんあると思います。文化が違うと仕事の仕方やマーケティング方法、デザインも変わってきますね。海外進出を考えている方の参考になれば幸いです!

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コメント

“海外Webサイト・海外Web屋の特徴” への39件のフィードバック

  1. より:

    海外と日本では全然違うんですね。
    仕事中にYouTubeとか日本では見ていたら怒られるとこもあるし。隣同士なら普通に雑談とかは多いかも。勉強になりました!

  2. aginalysta より:

    海外Web屋事情についてなるほどと思いながらも、今回はもはやエンタメとして面白かったです。いつもながらイラストも秀逸すぎますww

  3. おおもり より:

    twitterから飛んできました。かわいくて素敵なサイトですね。海外の情報おもしろかったです。とっても刺激的でした。更新がんばってください。

  4. […] 海外Webサイト・海外Web屋の特徴[Webクリエイターズボックス] どちらかというと日本が特殊なんだろうなぁと。 […]

  5. 上西 より:

    やべぇw

    おもしれぃ。

    そういうった環境が
    僕の仕事場の理想です。

    雰囲気いいわぁ~。

  6. ユージック より:

    海外のWEB制作会社のエントリー楽しく拝見させてもらいました。僕もカナダに1年ワーホリでいた経験があるので現地でこの仕事してたらこういう感じなんだろうな~と色々妄想にふけってました。
    また面白いエントリー期待してます~。

  7. […] | Webクリエイターボックス http://www.webcreatorbox.com/webinfo/website-overseas/ <抽象化。小杉竜一> >> Facebook 縲恣坙{と海外の楽しみ方の違い~ […]

  8. ryo324.com より:

    何かジェフみたいなんいる(仕事中にyoutubeの所)。気のせいか?

  9. 南さおり より:

    面白い記事でした!海外のweb制作現場のことって、現地で働いているからこそ分かることですよね。貴重な情報、楽しませてもらいました!日本語覚えてくれるって、嬉しいですね。

  10. 小松 より:

    とても勉強になりました。
    先月このサイトを発見し、色々と勉強させてもらってます。
    これからも更新頑張って下さい。

  11. 海外Web業界について…

    ●海外Webサイト・海外Web屋の特徴 これ、面白いですね。 ウチと比べて、同じじゃん!と思う点も一杯ありますけど。 隣ともSkypeとか、YouTubeの面白動画の共有とか。(笑) でも素材としてイラストを多用するか写真メインか、というのは確かに感覚が違うと思います。 やっぱり日本はマンガ文化なのかな? あと、海外のWebの方がシンプルというのもそう思います。 ウチみたいに日本と海外の両方向けに同じサービスを提供している場合は悩むんですよ。 なるべく統一したいんだけど、ローカ…

  12. より:

    イラストが可愛い!

  13. 流楽 より:

    すごく面白かったです。
    うちも制作会社なんですが、同じようなところ、全く違うとこがあるなああ…と。
    また、海外事情ネタ楽しみにしてます。

  14. Webクリエイターボックス より:

    予想以上に反応があってちょっとびっくりしてます!文化の違いを知るのは刺激的でおもしろいですよね。Webに限らなければ海外ネタたくさんあるんですけどね…いつの日かカキカキしちゃいましょうか…。ふふ。

    @りょーへー
    あれはオーストラリアの時の同僚がモデルだけど、その人ジェフに性格がそっくりだったから、あながち間違ってはないw

  15. masa より:

    面白くて、ためになりました。

    >日本でよく見かける「-(ハイフン)」をドメインに用いるのは避けたほうがよさそうです。

    これについて理由をもう少し教えていただけたら嬉しいです。
    単純に覚えにくくなるからでしょうか?

  16. johngrasshopper より:

    面白かったです。クライアントのサイトで国内と海外でリファラーを比べると海外の方がノーリファラーの比率がとても高くて、ずっと何でだろうって悩んでました。URLを直接入力しているのかなとも思ってましたが、本当に直接入力するんですね。

  17. Webクリエイターボックス より:

    @masa さん
    覚えにくいというか、ユーザーが「ハイフンが入ると想定していない」からです。例えばWebデザインアワードというサイトだとすると、webdesignawardとするのが普通なのですが、ハイフンを入れると、web-design-awardやwebdesign-awardやweb-designawardなど、どこにハイフンが入るのかわかりませんよね。「長いURLでもハイフンは入れないもの」とユーザーは認識しているので、そこにハイフンが入ってしまうと、直接入力する人が極端に減ると思います。

  18. […] 海外Webサイト・海外Web屋の特徴 | Webクリエイターボックス (tags: webdesign) […]

  19. 加藤 久長 より:

    驚きでした・・・時給$15から・・(゚o゚)
    海外へ行きたくなりますよ・・ほんと。

  20. fumilcio.us より:

    アメリカのウェブと業界の特徴…

    今日僕のTLに”海外Webサイト窶「海外Web屋の特徴”っていうブログの記事が流れてきました。 いくつかは、確かに!とおもいました。ほんと「そう言われてみれば」的な。……

  21. nasa114 より:

    IE6が非対応のサイトは日本でも最近増えてきましたね!一部の人はIEを非対応にする人がいるらしいのですが…。
    それにしても時給が15$~だったり仕事中にYouTubeを見てそれで面白かったらみんなが集まってしまうんですか…。日本とは正反対ですね。
    では…。

  22. 藍色 より:

    たまにIE6でアクセスすると撃墜されるサイトがありますが、あれって意図的なのかな。変なギミックの仕込みは間違いないでしょうけど。特にWeb関連の情報を漁っているときによく出会うのが残念でならないです。そういうサイトに出会うと「せめて放っておいてくれ」って思ってしまいますね。

  23. massss より:

    イラストが面白くて、楽しく読ませていただきました。

    が、すでにドメインにハイフンを入れてしまった・・・
    まぁ、別に海外向けでなく個人的ブログなのでいいか(´・ω・`)

    WordPressでのブログ作成に挑戦したので、いろいろサイトを参考にさせていただきました。

    これからもぼちぼちとお邪魔いたします(・∀・)

  24. デリバリー より:

    初?イラスト付きでしょうか。

    非常に、楽しく読ませていただきました^^

    おしりにニキビ・・
    笑わせていただきました!

  25. […] ■ 海外Webサイト・海外Web屋の特徴 | Webクリエイターボックス […]

  26. […] IE6が発表されてからもう10年も経つ、というのに日本でのブラウザーシェアもまだ10%を超えています。その10%だけのために、色々試行錯誤しないといけないのはかなり厳しいのです。アルファブロガーアワードを受賞している「Webクリエイターボックス」さんの書き込みで「海外Webサイト・海外Web屋の特徴」という記事がありまして、その中で、IE6についての記述がありました。 これはサイトのターゲット層や規模にもよりますが、基本的にIE6には対応させません。IE6に対応させるために追加料金を設定している企業もあります。そのかわり、iPadやスマートフォンの対応を重視しつつあります。 […]

  27. ton より:

    こんにちは~。すっごく×2面白かったです★
    イラストがおもしろすぎです!
    海外でWEBの仕事、、、イイデスネ~(遠い目・・・)
    素朴な疑問、海外で仕事しようと思ったら、どういう風に求職するんでしょう?また、どういうくらいのスキル(業務、語学ともに)が必要なんでしょうか???

  28. Webクリエイターボックス より:

    @ tonさん
    仕事探すときは海外の求人サイトを見るか、ひたすらWeb制作会社を検索して募集してないか確認しますね。入社当日から業務にはいるので、即戦力は必須です。初心者は働けません。語学力は普通に会話ができる程度ですかね?面接の時点で問題なければ合格すると思いますです。

  29. […] 海外Webサイト・海外Web屋の特徴 | Webクリエイターボックス […]

  30. ton より:

    なるほど~。仕事は現地で探すのですね!
    むう。英語力が・・・
    色んなチャレンジをされてるってスバラシイです!

  31. masa より:

    ドメインにハイフンを入れるという考え方がそもそもないのですね。

    丁寧にありがとうございました。

  32. mitomex より:

    この記事、最高にツボですw

    なんでだろう??かなりのリピーター

    どこに戻ってくる要素が隠れているのだろう~

  33. Yukihiko Kikuta より:

    参考になりますしとても面白いです( ・v・)

  34. Naoyuki Hosaka より:

    面白かったです!
    つい先日とったドメインに「-」入れてしまった。。。先にこの記事に出会っていれば。。。or2

  35. 有益なブログは、私はそれが標準に近いが、それを本当に好きだ。

  36. […]   日本ではURLバーに直接入力する人は少ないかと思われますが、海外では目的のブランド名がわかっている場合、とりあえず「.com」をつけてWebサイトを開きます。日本でよく見かける「-(ハイフン)」をドメインに用いるのは避けたほうがよさそうです。 via: 海外Webサイト・海外Web屋の特徴 […]

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