
Design Boost in Hiroshima で登壇しました!
10月18日(土)に広島で開催された、地方クリエイターの祭典『Design Boost in Hiroshima』に登壇者として参加してきました!イベントの雰囲気や、勉強になった他の登壇者さまのお話、お答えしきれなかった質疑応答の続きなど、私の感想や学びを交えながらご紹介します!

\地方版クリエイターの祭典/ Design Boost in Hiroshima
会場内にはカフェスペースもあって、リラックスしたアットホームな雰囲気の中で、最新の知識をインプットできる、とても素敵な空間でしたよ。

メインスクリーンの他に補助モニターがふたつも設置されていて、後方の席からでも登壇者の操作画面がしっかり見やすくなっていました。こういう配慮、参加者としては本当にありがたいですよね。
他の登壇者さまのお話
私の出番はイベントの後半だったので、前半は私も一人の参加者として、客席でふむふむと勉強させていただきました。どのセッションも濃密で、メモが追いつかないほど…!
ChatGPTで取り組むIllustratorのスクリプト作成
トップバッターは、鷹野雅弘(スイッチ)さんのお話でした。Illustratorには「スクリプト」という、決まった作業を自動化できる機能があるのですが、それをChatGPTに作ってもらおう!というテーマでした。例えば、特定の「制御文字」をトリガーにして、Illustratorの ファイル → スクリプト → その他のスクリプト から自作のスクリプトを実行させる、といった具体的なテクニックを紹介されていました。
ひとつ注意点があって、Illustratorのスクリプトは、ES3という古いバージョンのJavaScriptで書かないと、正しく認識されないんだそうです。最新の書き方でスラスラ書いても動かないなんて、ちょっとした落とし穴ですね。
そして、ChatGPTの連携機能。ChatGPTにアプリを指定してスクリプトの内容を指示すると、生成したコードを直接VSCodeに書き込んでくれます。面倒なコピペ作業が不要になりますね。コーディングが苦手なデザイナーさんでもできそうな手軽さ。
- 学び:「面倒だ」と思う気持ちが大事。楽できるかも、という気付きであるから
- 疑問:Illustratorスクリプトの拡張子「.jsx」はReactのJSXとは別物?
- TODO:他にどんな便利スクリプトがあるのか探してみる
アドビの製品担当が直接話すアドビ最新動向!
続いては、アドビ株式会社の岩本 崇さんによる、Adobeツールの最新動向セッション。ライブデモを交えて新機能をご紹介いただきました。 PhotoshopやIllustratorのおもしろ技がもりだくさんで見応えがありました。
AIの画像生成中など、どうしても「待ち」の時間が発生しがちな場面でも、その時間を活用して機能のポイントや注意点をテキパキと補足説明されるので、聴いている側は全く「待っている」感じがしませんでした。流れるようなプレゼン、さすがプロの技!
- 学び:環境設定の「被写体を選択」で「クラウド」にチェックを入れると、AIによる切り抜き精度が一気に上がる
- TODO:PhotoshopのAI機能はよく使うけど、Illustratorはあまり使わないから試してみる
使い慣れたイラレで3Dデザインを表現!
SNSなどでも大人気のタマケンさんによる、Illustratorの3D機能のセッション。標準機能だけでかなり高度な3D表現ができるようになっているってお話です。もちろん本格的な専用3Dアプリに比べれば複雑な表現は難しい部分もあるそうですが、ちょっとした3D表現なら、Illustratorも負けてなさそう。
Adobe Fireflyで、作りたいものの理想の形(例えばボトルとか)を画像生成し、その画像をベースにIllustratorで展開図をイメージしながらトレース、それを3D化する…という制作フローが参考になりました。AIとIllustratorを見事に連携させたテクニックですね。
ただ、3D機能には「動作の重さ」がつきもの。「レンダリング」という処理をすると、質感がすごくリアルになるんですが、その分動作が重たくなってしまいがち。普段編集するときは「レートレーシング」のスイッチをオフにしておき、最終確認のときだけオンにするのが快適に作業するコツだそうです。これは覚えておきたい!
- 学び:色が思い通りにならないときは無理にIllustrator内だけで完結させようとせず、Photoshopで調整する
- TODO:Fireflyを使って構成参照させて指定した形のとおりにテキスチャ感を追加(例:クッキー風、ガラス風)を試す
生成AI時代に求められる「デザインの言語化スキル」
株式会社ウェブライダーの松尾茂起さんからは、まさに「今」必要なスキルのお話でした。生成AIに的確な指示を出すときも、クライアントにデザインの意図を説明するときも、結局は「言葉の力=言語化スキル」が重要になってくる、というセッション。デザイナー自身が自ら問いを立てて、それに一つ一つ答えていくプロセスが、デザインを磨き上げることにも繋がるんだなと、納得。
ワークショップでは同じ机だったNyohoさんとワイワイお話しながらデザインの言語化!いざやってみるとなかなか言葉がでないもんですw こうやって複数の人での言語化って、自分にはない言葉や感性に気づけて楽しいですね!
- 学び:ChatHubで複数のAIでの生成結果を見比べられる
- TODO:言語化の練習、自分で言語化してもらった写真をAIにも説明してもらって比較してみる
PhotoshopとIllustratorを実践的に学ぶ!クリエイター直伝のテクニック集
最後にご紹介するのは、よんどび(マスベサチさん、ベーコンさん、松下 絵梨さん、いとくにさん)の皆さんによる、実用的なテクニック集セッションです。本当に「すぐに使える!」という技のオンパレードで、すごく勉強になりました。 特にIllustratorの「色の再配色」機能。 私は正直、あまり使いこなせていなかったんですが、詳細な使い方をデモを交えて説明してくださり、こんなに便利だったんだなと目からウロコでした。
セッションの中で、先ほど登壇されたタマケンさんのSNSでの技術解説をベースにしたデモが多々あり、なんだかタマケンさんの紹介プレゼンみたいになってましたw
- 疑問:機能を理解できても、実際に使う場面が思いつかないものもあるから、実務での使い所が気になる
- TODO:Illustratorの新機能を試してみる
私の登壇『AIデザインの「なんか違う」を解き明かす』
便利なAIのデザイン界隈における現状や、それにともなって増えてきた仕事内容、AIを使いこなし、デザインスキルをアップするための習慣などをお話しました。

photo : yampuu
以前参加したPyCon JP 2025 でSlidoという質疑応答サービスを使ったプレゼンが印象的だったので、さっそく私も取り入れましたよ!時間の関係ですべての質問にお答えできなかったので、続きはこちらで返答します。最後に模写の話をしたので、模写への質問を多くいただきました。
摸写や言語化の精度は簡単な物でよいのでしょうか?質と量、どちらが大事ですか?
最初は量。ハードルをとにかく下げて習慣化すると良いです。最初から質にこだわると取りかかることすらしなくなっちゃいます。
「なんか」を深掘りする力さえAIの方が長けてたりしません…?
わかります!ただ、私の体験した例では、非デザイナーの人がとあるECサイトのデザインを見て「なんかうさんくさい」と言ったことがありました。私はそこまで思わなかったので深堀りして聞いてみると、とある激安ECサイトのデザインとよく似ていたと。私はその激安ECサイトを見たことがなかったからピンとこなかったのでうさんくささは感じられなかった。このように体験していないと気付けないこともあるので、まずはAIじゃなくて自分の言葉、自分の体験から考えてみよう。
模写は文字組みもですか?
文字組みをきっちり模写していると時間がかかるかも。大まかな特徴を捉える程度でOK。
1行ゴール設定は、紙のノートにされてるんですか?
付箋がおすすめ。ノートやアプリ内だとそこを開かないと見えないが、付箋に書いてデスクに貼っておけば意識していないときでも目につくから。
ひとつの模写にかかる時間は?
サクッとは5分、時間かけたとしても15分くらいがおすすめ。
模写ってどのくらいの頻度でされてますか?
意識的には週に1度、デザインに行き詰まったときは1時間で3つ4つ模写しています。
体験をデザインするために、自分が知らないようなドメインについても関わることがあると思います。そう言った時にどうやって体験や情報をキャッチアップしますか?
まずは私自身が「初めて使うユーザー」になりきって、サービスを徹底的に触ってみる。その時の「分かりにくい」「心地よい」といった素直な感覚を大切にしますね。その上で、その分野の専門家や既存ユーザーの方にヒアリングし、知見を深めていくことが多いです。
AIで作成されたデザインやイラストを仕上げて欲しいという依頼、今後ますます増えそうですが、AIは細かく作ってくるのでそれをどう紐解けばいいのか悩んでしまいます。どういうふうに依頼元にヒアリングされてますか?
AIが作ったもの自体より「このデザインの、特にどの部分に可能性を感じましたか?」とか「最終的にユーザーにどんな体験を届けたいですか?」と、その奥にある「本当の目的」や「核になる想い」を伺うようにしています。
「良いデザインに触れる」というのは、何を見ていますか?私は雑誌を参考にしたりします。
雑誌、いいですよね!私も以前記事にしたこともあります。それ以外だと、今人気のあるWebサイトやアプリの支持されている理由を分析しながら触れてみる、海外のデザインギャラリーサイトを見て表現の引き出しを増やすなど。
「why」の深掘りのコツってありますか?
定番ですが「なぜ?」を繰り返すこと。もし自分がユーザーだったらどう感じるか?と視点を変えてみたり、優先順位の核になる部分を考えたり。
デザインの良し悪しを見極められるようになったなって気づいたときはどのタイミングでしたか?
デザインの評価を「好き/嫌い」という感覚ではなく、「なぜ良いのか/良くないのか」を、サービスの目的や使いやすさといった軸で、きちんと言葉で説明できるようになった時かも。感覚を論理的に整理できるようになった時、少し気づきがありました。
Keynoteではない何かでプレゼンデーションをされていたのでしょうか?
Canvaです!
登壇者なのに目玉商品をゲットしてしまう…など…
あああああノリで参加したじゃんけん大会で登壇者なのに目玉のAdobeライセンス当たってしまったごめんなさいいい!ありがたく使いますぅぅ!#DBH #ひろクリギルド pic.twitter.com/GmOBPnywFS
— Webクリエイター ボックス (@webcreatorbox) October 18, 2025
イベントの最後には様々な豪華賞品がもらえるじゃんけん大会!Adobeグッズや書籍、そしてAdobe CCの1年分のライセンスまで!私はノリで参加したものの、なんと登壇者なのにAdobeライセンスをゲットしてしまいましたよ…!欲が強すぎて…申し訳ない…!でしゃばってすみませんでしたァァァアア!!!いや、これも何かのご縁、大切に使い倒します!!!
あまり浸透していませんが、私は出身も現在住んでいるところも広島なので、地元のイベントはありがたいですね!広島のイベントがこれからももっと盛り上がりますように!