世界のWebデザイナーのお給料はいかほど?

以前日本のWeb屋さんと、海外のWebデザイナーのお給料について話したことがあります。話を聞く限り、日本は長時間労働・低収入、海外は時間キッチリ・高収入な私の勝手なイメージ。じゃあ実際どんなもんかしら?と思い、働いたことにある国を中心に、6カ国の賃金事情を調べてみました。各国の最低賃金とWebデザイナーのお給料はどのくらいあるのでしょう?
さっそく見てみましょう!
お給料(年収)は総支給額の中央値、レートは2013年3月11日のものです。ソースは記事の最後に。
オーストラリア
オーストラリアが国で定めた最低時給はAU$15.96(1,568円)*1。オーストラリアはチップ文化がないため、比較的高めの設定になっていると聞いたことがあります。ちなみに日曜に出勤したら時給2倍に、祝日だと3倍になります!
Webデザイナーの総支給額の中央値は$70,000(約688万円)です *2。オーストラリアは数年前から好景気ですねー。
ニュージーランド
ニュージーランドの最低時給はNZ$13.50(1,064円)*3。オーストラリアと同様チップの文化はありません。
ニュージーランドのWebデザイナーのお給料は$75,000(約590万円)とのこと *4。
カナダ
カナダの最低時給は州によって CA$9.27〜10.30(中央値 CA$10.15:949円)*5。私が住んでいた頃よりだいぶ上がってますねー!
カナダのWebデザイナーさんの年収は$61,925(約579万円)だそうです *6。
アメリカ
こちらも最低時給は州によってUS$7.35〜9.19(中央値 US$7.25:696円)*7。チップ文化があるものの、意外と低い気がしますね。ではWeb関連の企業が多いアメリカのWebデザイナーさんの給料はどんなもんでしょう?
なんと中央値がUS$81,670(約785万円)*8!今のところ最低時給は最下位ですが、収入はトップです!
イギリス
物価も収入も高いイメージのイギリスですが、最低時給は £6.19(888円)*9 とそこまで高くはないですね。
アメリカのように最低時給は低くて給料が高いパターンかと思いきや、Webデザイナーさんの収入は£29,061(約417万円)*10 とそこそこな数字です。もっと高いかと思ってました。
日本
さておまちかねの日本です。日本の最低時給は県によって652〜850円(中央値692円)*11。アメリカとあまり変わりませんが、そういえばチップ文化がないんだった…。あれ…?!
2007年からいろんな職業の収入を調査しているDODAによると、Webデザイナーさんの年収の中央値は301万円 *12。さんびゃk……え?
私の年収低すぎ…?
グラフにまとめるとこんな感じ
アメリカと日本の差がすごいですね。。今回は労働時間について調べませんでしたが、そこも合わせて見ると、日本の過酷な労働条件がさらにわかっちゃいそうです。
追記:Twitterでの会話
Stocker.jpさんとこの件についてTwitterでお話しました。「興味深い」と思った方がいらっしゃったみたいなので追記しておきます :)
@webcreatorbox 日本だとWebデザイナーはデザイン+簡単なコーディングしかできない人が多い印象ですが、AUやUKはどんな感じですか?サーバサイド言語やJS、SEOなどもできて当然な感じでしょうか?
— なつき (@Stocker_jp) March 12, 2013
@stocker_jp AU, CAはオールマイティな人が多いですねー。それに比べたらUKはデザインのみの求人もあります。最初はそれでUKも低めかな?って思ったですけど、その場合は媒体がWebでもjob titleがグラフィックデザイナーになるんですよねー。うむむー。
— Webクリエイター ボックス (@webcreatorbox) March 12, 2013
@webcreatorbox やっぱりAUはデザインだけじゃなくてオールマイティでしたか。最近、都内で「Webデザイナーとして入社した人がPsもFwも使えなかった」って話をたて続けに聞いてるのですよね。そういう人でも仕事があるのが不思議ですが、欧米と比べて定義が違う気がしますね。
— なつき (@Stocker_jp) March 12, 2013
@stocker_jp えー!それで仕事任されるんですね…。あ、あと日本は素人を育てるみたいな文化があるみたいですし、それも関係してそうですね。
— Webクリエイター ボックス (@webcreatorbox) March 12, 2013
@webcreatorbox そうですね。日本の会社はなぜか新卒大好きです。欧米では、既にスキル高い方じゃないと就職・転職厳しい感じですか?もしそうだとしたら、スクール出たばかりの方はどうしているのでしょう?
— なつき (@Stocker_jp) March 12, 2013
@stocker_jp スキルないと無理ですねー。学生さんは在学中にインターンしたり、学校や知人のコネ使ったり、フリーランスとしてプロジェクトをして実績を作ります。
— Webクリエイター ボックス (@webcreatorbox) March 12, 2013
@webcreatorbox なるほど、ありがとうございます。日本だと、Webデザイナーって誰でもなれそうな感じがしますが、欧米では間口が狭そうですね。
— なつき (@Stocker_jp) March 12, 2013
@stocker_jp 国によって違うかもしれませんが、基本的にWebデザイナーは「訓練が必要な技術職」に分けられるはずなので、誰でもなれる、というイメージはないですねー。ここらへんはまたゆっくりお話しますか!
— Webクリエイター ボックス (@webcreatorbox) March 12, 2013
@webcreatorbox そのはずですよね… 近々、私が思ってることを記事にまとめたいと思ってます。Manaさんともこの件ゆっくりお話ししてみたいですねー!
— なつき (@Stocker_jp) March 12, 2013
追記2:Tgetterにまとめてもらってましたー
世界のWebデザイナーの年収についてのやりとりまとめ – Togetter
いかがでしたか?私としてはイギリスが意外と低いなーという印象。そして日本は長時間拘束するのになぜこんなに収入が低いのかがずっと不思議でなりません。ですが経済については得意ではないので…解説は避けて結果のみの記事とさせてくださいw
今回は英語圏の国を調べてみましたが、他の国も調査してみると、また違った発見がありそうですね。皆さんはどう思われますか?ご意見お聞かせください!
※オーストラリアと日本の収入については、政府の公式記録が発見できなかったため、登録型のものを参考にしました
Source:
- National minimum wage
- Web Designer salaries in Australia
- The minimum wage
- IT salary guide
- Hourly Minimum Wages in CANADA for Adult Workers
- Canada Salary Calculator
- Minimum Wage Laws in the States
- Information Security Analysts, Web Developers, and Computer Network Architects
- National Minimum Wage rates
- The 2012 UK salary survey results
- 地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省
- 平均年収/生涯賃金(100職種別) 2012年版 - DODA
デフレの影響もあるとは思いますが、価格競争、デザイナー自ら値下げ(悪い言い方をするとダンピング)している影響もあるんじゃないでしょうか。
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。日本のWEBデザイナーはPs,DW使えます、HTML/CSS知ってますが基準なのもあるのかなぁと思います。あと自分自身をうまくプロモーションできない人が多いのもあるんじゃないでしょうか。
給与が安く長時間労働だから優秀なデザイナーが育たないのか、はたまた優秀でないから長時間薄給なのか・・。
いずれにせよ、自然が美しい日本にせっかくいるので、ゆとりをもっていろんな景色を見て感性を育てて詫び寂びが出せるデザイナーになりたいですね。わたしコーダーだけど。
確かにこの数字、こっちが安いというよりむしろ、あっちが高いという印象ですね。
作業範囲とかマネージメントの有無とかWebデザイナーの定義自体が違うという可能性もありますが。
日本と欧米諸国を比べた場合、地理的に日本は、より人件費の安い中国やアジア新興国にアウトソーシングし易いというのも、原因としてあるかもね〜です。
デフレについては「原因」と「結果」の両側面があるので、何ともです。
個人的にはアベノミクスとか下手にインフレ方向に舵を切るより、デフレのまま、とっとと新興国化しちゃって「給料も安いけど物価も安い。ジジババばかりの日本だけじゃなくて海外からも受注できる」方が、みんな幸せなんじゃないの?と思っています。
Webデザイナーと呼ばれる方が、どこまで作業をするのかが曖昧ではありますが…。
デザイナーと呼ばれる職種のお給料として考えると、日本のWebデザイナーのお給料は安すぎると思います。別に海外のデザイナーさんと比べても遜色はありませんし。
僕は、DTPデザイナー→Webデザイナー→プログラマ→SEと転職を繰り返しました。
技術のコモデティ化による相場の下落で稼げなくなったから、より(技術の習得が)難しい方へとさかのぼって今に至ります。
あれですよ。
日本人の適応能力が高すぎるのが原因なのかもしれません。
どんな技術も、あっという間に習得、適応しちゃうので、それらがコモデティ化するのが早く、価格もぐんと下がるんですよ。
「優秀すぎて稼げないのが日本人」
ってことでwww
税金のカラクリを考慮すると、手取りや毎月の余裕分はなんとも言えないなぁ
それぞれ価値基準を何処に置くかだと思うんですが、日本は安すぎる気がする。
ただ、プログラマーや、エンジニアと比べると 何かと冷遇され易い風潮を 打破する必要はあるのかなと。。生憎 スマートフォンの出現が、ユーザーインターフェースの重要性を改めて問いかけてくれているので、そこが漬け込むチャンスと思います。
デザイン業界は全般的に日本では給与が低い気がします。
何故か?モノづくり大国なのに?!ってもう古いか。。。
稼ぐ人は一握りで、それ以外はかなり低い収入で長時間労働を強いられているのが現状です。
プログラマーも一緒で、上流SEやコンサルは給与が良いのですが、プログラマーは給与が低いと言われています。ただ、それも人次第。
出来る人は独立してバンバン稼ぎます。デザイナーも一緒ですね。
にしても、改めて見てみると給料が低い。。。。
いつも楽しく読んでいます。
日本はデザイナーに限らず、エンジニアやクリエイターの評価(所得)が低いですよね。
インド等を見習ってIT人材育成に力を入れて欲しいと思いました。
私はフォトグラファーですが、事情は似ていると思います。アメリカで成功している人は、得意分野を掘り下げて、得意な仕事のみに集中して料金も高く設定しています。逆に憧れの職業だからがんばろうというタイプの人は色々手を出すけれども値段を安くしないと仕事が取れないという悪循環だと思います。日本では、幅広く色々知っているけれども、得意分野に特化していないため、高い仕事を取れないという状況の方が、多いのではないかと思います。
@Stocker_jpさんが、おっしゃている、お話と重複するのですが、私は全くの素人なので、実際の現場で求められる?基準がよく分からなくて、とても困っています。
それと、本当に素人(一応、訓練学校で、半年ほどですが、基礎的な事や、Wordpress使用しての、Blogとポートフォリオも作成)でも雇ってもらえるものなんでしょうか?
「基本的に、経験が無いと・・・」みたいな事をちょこちょこ言われます。
アドバイスを頂ければ、ありがたいです
Manaさん、始めまして。ドイツ在住ですが、Buddypress の日本語情報を探していたら、こちらにたどり着きました。いまさっそくローカルサーバーのインストールに挑戦しているところです。
ところで、各国のウエブデザイナーのお給料の比較の記事がおもしろかたので、ドイツではいくらかなと思い、みつけたのが下記の登録型のサイトです。月給での表示なので、これに13を掛けていただければ年俸になります。各連邦州によってもかなり違いがあるようで、おもしろいと思いました。それでもイギリスより安いかも。ご参考になれば。
http://www.gehaltsvergleich.com/gehalt/Web-Designer-Web-Designerin.html
[…] Webクリエイターボックスさんの世界のWebデザイナーのお給料はいかほど?という記事で、各国のWebデザイナーの年収が比較されています。 […]
[…] 世界のWebデザイナーのお給料はいかほど? […]
[…] 今週になってWebデザイナーの収入についての記事が話題になっています。 […]
検索から来ました。今海外にいます。
日本メーカーで培った技術を小出しにしながら海外の人に教え込んでます。
それがそのまま飯のタネになってます。
同じことをして高いお金と満足な有給がもらえるなら、だれもが海外を選びますよね。
[…] 昨日、Webクリエイターボックスの「世界のWebデザイナーのお給料はいかほど?」という記事が話題になっていました。 記事そのものではなく、記事に対する Twitter やはてなブックマークのコメントでの反応を見ていて、個人的に気になったことがありましたのでここにまとめました。 […]
こんばんは。海外からの出戻り組として、とても貴重なグラフでした。
確かにヨーロッパ全体が就労にシビアなのと、経済事情のせいかやはり賃金低め(スイスやオランダ等、物価が高い国は賃金設定が高めなので除きますが)です。
フランスは私の感想だと、イギリスと同じか日本と同等くらいまでが平均かもなと思います。プログラマ、システムエンジニアになると給料は良かったりするんですが、、、。
とはいえ、労働条件自体が法律で守られたりしている分、金額がどうであれ、悪くはないので、労働時間や条件については、日本に戻った時にとても考えさせられました。
日本企業だと、外に出て人と折衝して金を稼いで来れる人が評価されるんです。
職種で言えば、Webディレクターなら残業代込みなら海外と同等だと思います。
いわゆる制作実務だけのWebデザイナーだと、はっきり言って冷暖房の聞いた
屋内にこもって作業しているだけで、しかも学歴社会の日本にあって
学歴不問ですから、700万が平均なら他の職種とバランスが取れません。
海外のWebデザイナーと、日本のWebデザイナーの仕事の範囲も気になりますね。
まぁ、給料安くても大好きな日本に住めるなら幸せです。
(日本が嫌いなら出てけばいい話です)